ショートストーリー
明日への贈り物 Episode37
二人の子供を前に平等な愛情の注ぎ方
いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
上の子のヤキモチが爆発 無意識に出た言葉が傷つける
我が家は2番目の男の子が生まれたばかり。一方、4歳のお姉ちゃんはまだまだ甘えん坊。「ママ聞いて!」「ママこれ見て!」と常にリクエストの嵐。でも2人の子供を目の前に、この子だけに向き合う余裕はない。
それは、ある日のふとした時だった。いつものように下の子のオムツを替えようとかがんだ。「ママ、おんぶ!」と言って上の子が私の背中に飛び乗った。しかし上手く乗れずにドスン!とそのまま横になっている下の子にぶつかった。
「何やってるの!危ないでしょ!」無意識に下の子を守ろうとして、気付くと上の子に向かって叫んでいた。
「えーん!」鳴り響く2人の泣き声。「何でそうちゃんばっかりかわいがるの!」と上の子が泣き叫ぶ。「違うよ。そうちゃんがケガをしたら危ないでしょ?りんちゃんはお姉ちゃんなんだから」言わないようにしていた言葉がつい出てしまう。
「ママはそうちゃんの方が好きなんでしょ」そう言って泣き続けた。そうか。先に生まれただけで、我慢をさせられているのはこの子なんだ。「りんちゃんのことも大好きだよ。我慢させてごめんね」そう言って娘をギュッと抱きしめた。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています