ショートストーリー
明日への贈り物 Episode21
家の中に一人きり ぼくの長い長い夏休み
いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
両親が家にいない夏休み 一人で留守番をする小学生
待ちに待った夏休み。なのに、お父さんは単身赴任中で家にいないし、お母さんも毎日夜遅くまで仕事をしてるから、夏休みになってからずっと一人で留守番ばかりだ。
コロナのせいで友達も誘いにくいから、家の中で動画を観たり、ゲームをしたり、ちょっと宿題をやるくらいしか、することがない。それにお昼は大体カップラーメンか菓子パン。夜も冷凍食品か冷蔵庫の余り物をレンジで温めて食べてる。
今日のお昼も一人で「いただきます」と言ってから、聞こえるのはテレビの音だけ。普段の学校でも静かに食べるけど、周りに友達がいるからずっと楽しいよ。家に一人でご飯を食べるのはやっぱり心細い。それに温かい給食が食べたいな。
お母さんが休みの日はご飯を作ってくれるし、宿題も見てくれた。でも最近は仕事で疲れてるみたいで、一緒に家にいる時もコンビニのお弁当を食べることが多くなってきた。お母さんだって毎日働いているんだから仕方ない。
残りの宿題もやらなきゃいけないけど、何となく集中できないで一日を過ごしちゃう。早く夏休み終わらないかな。まだまだ長いなあ。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています