ショートストーリー
明日への贈り物 Episode25
もしかして叩かれてる?!オンラインの向こうから聞こえる声
いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
不意に遭遇した場面に凍り付く僕 こういう時はどうすれば…
晩御飯も食べて宿題も終わった。ママもいいよと言ってくれたから、ようやくお楽しみのゲームの時間だ。あ、仲の良い友達Kくんがログインしてる。早速ボイスチャットで会話を始めた。
「調子どう?」
「結構いい感じ。今日も頑張ろう」
会話をしながらステージを進めていると、Kくんの返事が聞こえなくなった。
1分ぐらいだろうか。静かな時間が続いた後、いきなり「おい! お前、何でゲームやってんだ!」代わりに聞こえてきたのは男の人の怒鳴り声だった。
「いい加減にしろよ! ただじゃ済まさねえぞ!」「ごめんなさい。お願いだからゲームだけは壊さないで」マイクから離れたところでか細いKくんの声も聞こえた。
「Kくん大丈夫?」尋ねても返事はない。まだ怒鳴っているみたいだし、ガチャンと物が壊れたような音も聞こえる。そしてそのままログインが切れてしまった。
どうしたんだろう。Kくん大丈夫かな。男の人はお父さんかもしれないけど、普通の怒鳴り声じゃなかった。5分が経ってもまだ心臓がドキドキする。凄く怖かった。まずママに相談してみようかな。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています